経理・税金

年末調整手続の電子化とは?いつから変わる?

平成30年度税制改正により、年末調整手続の電子化が行われることとなりました。
これにより、会社の事務負担が軽減され、従業員の利便性も高まるものと考えられます。
この年末調整手続の電子化について解説します。

現在の年末調整手続は?

確定申告については、e-taxを利用することで、申告をオンライン(web上)で済ませることができます。e-taxを利用した際には、証明書等の添付を省略できるものもあるので、多くのケースでは税務署に書類を送る必要もなく、すべてオンラインで完結します。

一方、年末調整の場合、会社から税務当局への申告・提出はe-taxを利用することができますが、従業員から会社に対しては基本的に書類でのやりとりを行う必要があります。

「扶養控除等(異動)申告書」及び「保険料控除申告書」に必要となる証明書等を添付して、会社(雇用主)に書面で提出しなければなりません。
提出を受けた会社(雇用主)は従業員から受け取った書類をもとに入力・年末調整計算の業務が必要となりますし、受領した書類を一定期間保存する義務も生じます。

年末調整手続の電子化の方向性

現在、納税者の利便性の向上、官民あわせたコストの削減を図るため、税務手続の電子化の推進について議論が進められています。
年末調整手続に関しては、最終的には、控除関係機関(保険会社、銀行等)・個人(納税者)・国税当局・雇用主(源泉徴収義務者)の情報の流れが、基本的にオンラインで完結する仕組みを構築することが目指されています。
PCやスマホ等による手続にも対応する見込みで、これが実現すれば、利便性も高まりますし、源泉徴収義務者の事務負担も大きく軽減されることとなるでしょう。

確定申告・年末調整手続の電子化イメージ


[出典:内閣府税制調査会(2017年10月16日 税務手続の電子化等について)]

平成30年度税制改正で年末調整はどう変わる?いつから変わる?

平成30年度税制改正により、次の場合には、電子手続を利用できることとされました。

①生命保険料控除または地震保険料控除の適用を受ける場合

保険料控除申告書を電子データで提出することができるようになります。この場合、生命保険料控除証明書や地震保険料控除証明書に代えて、保険会社等から送られる控除証明書データ(発行者の電子署名および電子証明書が付されたもの)を合わせて提出することとなります。

②住宅借入金等特別控除の適用を受ける場合

給与等の支払者(源泉徴収義務者)が税務署長の承認を受けている場合には、住宅ローン控除申告書を電子データで提出することができるようになります。

③住宅借入金等特別控除の適用を受ける場合(居住年が平成31年以後)

住宅ローン控除申告書を電子データで提出することができるようになります。この場合、住宅ローン控除証明書または年末残高証明書に代えて、金融機関等から送られる年末残高証明書データや税務署から送られる控除証明書データ(発行者の電子署名および電子証明書が付されたもの)を合わせて提出することとなります。

これらの改正は、いずれも2020年10月1日以後提出分より適用されます。なお、これらのデータの提出は、これから整備される控除申告書作成支援システムを利用して行うこととなります。

まとめ

毎年の年末調整手続というのは、会社(源泉徴収義務者)にとっては大きな負担です。一方、従業員(納税者)としても慣れない書類の記入で時間をかけて準備しているのではないでしょうか。今後、電子化の対象が広がり、機能も向上すれば、納税者や源泉徴収義務者にも大きなメリットが生じることでしょう。