経理・税金

中小企業投資促進税制をわかりやすく解説!

中小企業投資促進税制をご存知でしょうか?対象となる一定の設備を取得したときに特別償却や税額控除を受けることができるというとてもメリットの大きい税制です。今回は、中小企業投資促進税制の概要について、税理士がポイントを解説します。

中小企業投資促進税制とは?

中小企業投資促進税制の概要

 

中小企業投資促進税制とは、一定の機械装置等の対象設備を取得等したときに、特別償却または税額控除を受けることができるという制度です。

時限措置として設けられており、平成31年3月31日までに、対象設備となる取得等をして、指定事業の用に供したときに、適用することができます。

 

特別償却とは、初年度に、通常の減価償却費に、取得価額の一定割合(特別償却割合)を上乗せした償却費を計上できる、というものです。初年度の税金は少なくなりますが、減価償却を早めているため、2年目以降は減価償却費が少なくなるので税額は増えることとなります。
一方、税額控除とは、法人税額(または所得税額)から取得価額の一定割合(税額控除割合)の金額を直接減額することができる、というものです。初年度は税金が減り、2年目以降は通常通り減価償却を行って税金を計算します。
毎期安定して利益がでているような場合には、税額控除を選択した方が、減価償却期間を通じたトータルの税金は少なくなります。

中小企業投資促進税制の適用要件は?

適用できるのは、青色申告書を提出する中小企業者等です。
中小企業者とは、資本金または出資金が1億円以下の法人、もしくは、資本金または出資金のない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人(または個人事業主)等のことをいいます。ただし、大規模法人の子会社等の一定の法人は除かれます。

また、取得等した設備を指定事業の用に供するときに限られます。
指定事業には幅広い業種が対象とされていますが、不動産業、物品賃貸業、電気業、水道業、映画用を除く娯楽業、性風俗関連業等は対象になりません。

中小企業投資促進税制の対象設備は?

中小企業投資促進税制の対象設備は次のとおりです。

設備 要件
機械装置 1台または1基の取得価額が160万円以上のもの
測定工具・検査工具 1台または1基の取得価額が120万円以上のもの
(事業年度の取得価額の合計額が120万円以上のものを含む)
一定のソフトウェア 取得価額が70万円以上のもの
(事業年度の取得価額の合計額が70万円以上のものを含む)
普通貨物自動車 車両総重量3.5トン以上
内航船舶 すべて(取得価額の75%が対象)

なお、中古品や貸付けするための設備は対象外となります。

課税の特例の内容は?

課税の特例の内容は、資本金等によって異なり、次のようになります。

区分 特例の内容
資本金3,000万円以下の法人、個人事業主 取得価額の30%の特別償却
または 7%の税額控除
上記以外 取得価額の30%の特別償却

税額控除を選択する場合には、その事業年度の法人税額(または所得税額)の20%までが上限となります。ただし、税額控除限度額を超える金額は、翌事業年度に繰り越しすることができあます。

一定の生産性向上設備は中小企業経営強化税制で即時償却も可能!

従来設けられていた中小企業投資促進税制の上乗せ措置は、平成29年度税制改正によって、中小企業経営強化税制に改組されました。

中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づいて取得した一定の設備であるときには、即時償却または取得価額の10%の税額控除(資本金3,000万円超1億円以下の法人は7%)を適用することができます。なお、中小企業投資促進税制の対象設備とは要件が異なりますので、注意してください。

 

まとめ

中小企業投資促進税制について解説しました。このような優遇税制を適用できると節税となり、会社にとっては大きなメリットが出てきます。一方で、適用にあたっては要件が設けられていますので、設備を取得する前に理解しておくようにしましょう。中小企業投資促進税制は、事前の手続きも必要なく、デメリットもありません。要件を満たすときには忘れずに適用するとよいでしょう。