経理・税金

情報連携等投資促進税制(IoT税制、コネクテッド・インダストリーズ税制)をわかりやすく解説!

平成30年(2018年)税制改正で、情報連携等投資促進税制(IoT税制、コネクテッド・インダストリーズ税制)が創設されました。今回は、情報連携等投資促進税制について税理士がポイントを解説します。

情報連携等投資促進税制とは?

情報連携等投資促進税制の概要

情報連携等投資促進税制(IoT税制、コネクテッド・インダストリーズ税制)とは、青色申告事業者がデータ連携・利活用により生産性を向上させる取組をするために必要となるシステムやセンサー・ロボット等を導入した場合に、特別償却または税額控除を受けることができるという制度です。この制度は、時限措置として設けられており、2021年3月31日までの間に取得等をする設備について適用されます。

業種や資本金規模による制限はありませんが、5,000万円以上投資することが要件となっていますので、実質的には中堅企業や大企業向けの特例であると言えます。

この特例の適用を受けるためには、次のような手続きが必要です。

1.革新的データ活用計画を策定し、セキュリティの専門家の確認を受ける。
2.革新的データ活用計画について、主務大臣の認定を受ける。
3.革新的データ活用計画に基づいて設備投資を行う。

革新的データ活用計画とは、サイバーセキュリティ対策が講じられたデータ連携・利活用に必要となるシステムや、センサー・ロボット等の導入などによって短期間で生産性の向上を図ることを目的として策定する企画のことをいいます。

革新的データ活用計画が認定されるための要件は?

革新的データ活用計画が認定を受けるためには、次の要件を満たしている必要があります。

①データ連携・利活用の内容
・社外データやこれまで取得したことのないデータを社内と連携
・企業の競争力における重要データをグループ企業間や事業所間で連携

②セキュリティ面
・必要なセキュリティ対策が講じられていることをセキュリティの専門家(登録セキスペ等)が担保

③生産性向上目標
・投資年度から一定期間において、以下のいずれも達成見込があること
(a) 労働生産性の年平均伸率が2%以上であること
(b) 投資利益率が年平均15%以上であること

なお、革新的データ活用計画を申請する場合は、記載の不備や計画に記載するデータ連携・利活用の内容の事前確認が必要であるため、申請書を提出する前に管轄の総合通信局または経済産業局に事前相談をする必要があります。

情報連携等投資促進税制による課税の特例の内容は?

認定された事業計画に基づいて行われる設備投資について、特別償却または税額控除のいずれかを適用することができます。同一設備に対して、他の税制と重複して適用することはできませんが、固定資産税の特例措置とは重複して利用することが可能です。

 30%の特別償却 または 3%の税額控除(法人税額の15%が上限)

継続雇用者給与等支給額の対前年度増加率が3%以上であるときは、税額控除の率が上乗せされ、次のようになります。

 30%の特別償却 または 5%の税額控除(法人税額の20%が上限)

いずれの場合も、税額控除を選択したし、控除限度額まで控除できなかったときでも、翌年以降への繰越をすることはできません。

この税制の対象となる設備は、ソフトウェア、器具備品、機械装置です。
対象設備の例としては、データ収集機器(センサー等)、データ分析により自動化されるロボット・工作機械、データ連携・分析に必要なシステム(サーバ、AI、ソフトウェア等)、サーバーセキュリティ対策製品 などが挙げられます。

なお、取得(購入)するもの以外に、自ら製作するものも対象に含まれます。また、ソフトウェア構築等に要する人件費を損金計上する場合は対象とはなりませんが、資産計上する場合は対象となります。

まとめ

情報連携等投資促進税制について解説しました。最低投資額が5,000万円で、適用要件も厳しいため、使い勝手のよい制度とは言えませんが、該当するときには、大きな効果がありますので、忘れずに適用するようにしましょう。